Topic03
腸内フローラを知る
5つのテーマ

腸内フローラを知る5つのテーマ

腸内細菌という
花を咲かせるお花畑
=腸内フローラ

健康な人の腸内には400種を越える、総数で約100兆個もの腸内細菌がバランスよく住みついています。人間の体を構成している細胞数は60兆個と言われていますので、いかに多くの細菌が繁殖しているかが分かります。 特に小腸の終わりから大腸にかけての様子は、花畑にたとえて「腸内フローラ」と呼ばれています。腸内フローラとはまさに、腸内の花畑のように腸内細菌がびっしりと敷き詰められている状態なのです。

Theme 01腸内細菌とは?

この細菌たちは病原菌などの有害な菌が簡単に体内に入らないよう守ってくれるから必要不可欠な存在なのです。腸内細菌は大きく3種類に分類することができます。さらに腸内細菌は「属」から「種」さらには「株」へと分類されていきます。
善玉菌・悪玉菌・日和見菌は腸の中の畑の中で自分たちの畑の面積を増やそうと勢力争いをしています。

  • 善玉菌

    代表

    乳酸菌群:ビフィドバクテリウム/ストレブトコッカス/エンテロコッカス/ラクトバチルス

    影響

    免疫力を高める/感染防御/消化吸収の援助/ビタミン合成/腸管運動を促進

    好物

    食物繊維・菌など

  • 悪玉菌

    代表

    有害物質を産生する有害菌:大腸菌/ウェルシェ菌/バクテロイデス/ユウバクテリウム

    影響

    細菌毒素・発癌物質を生産/腸内腐敗・糞便・ガスの形成→肌荒れ・肩こり・頭痛・便秘・下痢・肥満・体臭

    好物

    肉類

  • 日和見菌

    代表

    無毒性悪玉菌/連鎖球菌

    影響

    悪玉菌が優勢になると悪玉菌に加勢する

    好物

    -

Theme 02腸内細菌のバランスが
悪いとどうなる?腸内細菌のバランスが悪いとどうなる?

通常、一定のバランスを保って定着している菌たちが老化・ストレス・疾病・環境変化・食生活によってそのバランスが崩れていくと私たちの体にどんな影響が出てくるのでしょうか。

  • 便秘になる

    食生活の変化により腸の働きが弱くなって便秘になる人が増えています。便は消化吸収されたもののカスです。その1/3〜1/2は腸内細菌で占められています。この場合の腸内細菌中には有用菌や有害菌が多数存在していますが、有害菌は私たちの体に有害なぶつ質を作り出します。これらの有害物質を腸内に長い時間停滞させると腸の壁から体内に吸収されて悪影響を及ぼします。最近ではニトロソアミンのような発がん性物質を作り出すことが「大腸がん」の発症と深く関わっていると指摘されています。
    他には、肌荒れ・ニキビなどの身近な体調不良から、老化を早める、血圧を上げる、動脈硬化を誘発するなど、生活習慣病にも結びついてくる影響もあるとされています。
  • 下痢になる

    便秘に比べると、腸内の掃除がすべて終わった後の爽快感もあるので罪は軽いかと思われますが、下痢も腸内細菌のバランスが崩れることで引き起こされます。
    その原因としては心身のストレス、偏った食事、抗生物質等の薬の乱用、旅行ブームによる外国からの病原微生物の流入などが考えられています。
  • 免疫力が低下する

    私たちの体には、外からの病原に対して防御する機能が備わっています。それを「免疫機能」といいます。腸内細菌のバランスが崩れることで腸炎を起こしたり全身感染症をも引き起こす可能性まで高まります。
  • 副交感神経の
    機能を抑えてしまう

    私たちがストレス状態になると、そのストレスを緩和しようと防御反応として脳下垂体からアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。これらは交感神経の機能を活発にして副交感神経の機能を抑えます。腸の動きや消化液の分泌は副交感神経によって支配されているのでストレスにより腸内細菌のバランスが崩れ、体調が害されていきます。さらにはガンなどを発症し命の危険にもさらされます。
このように腸内細菌は
人体の健康維持に対して
大きな影響を与えると言えます。
では、腸内での免疫細胞の
バランスを取り戻し
腸内環境を整えるには
どうしたらいいのでしょうか?

Theme 03エンテロコッカス・フェカリス菌AD101株とは?

エンテロコッカス・フェカリス菌は、球形の乳酸菌で殺菌された死菌体で安定性が高く特に腸内環境改善、免疫力向上に効果を発揮します。

「エンテロコッカス・フェカリス菌AD101株」には3つの特徴があります。

まず1つ目は、「ヒト由来」であること。この菌はもともと人間の腸内に存在する乳酸菌株の一つで、「腸球菌」ともいわれます。そのため身体にやさしく、自然な効果が期待できます。

2つ目は、「殺菌菌体」であること。「殺菌菌体」はその名の通り殺菌されている菌で、生きたままの乳酸菌(生菌)ではありません。死んだ菌では効果がないのではと思われるかもしれませんが、乳酸菌は殺菌されても効果が失われないことが研究で分かっています。

さらに、殺菌菌体は耐熱性に優れ、胃酸や胆汁にも強い性質をもつため、安定した品質を保つことができるのです。また殺菌するため生産ラインを汚染せず衛生的であるという利点もあります。

また、免疫活性化の効果も期待できます。少量でも多くの菌数を摂取することができるので、効果を効率的に得られる乳酸菌株だといえます。

Theme 04ラクトバチルス・アシドフィルス菌
AD206株とは

ラクトバチルス・アシドフィルス菌は乳幼児の腸内から分離された乳酸菌で胃酸や腸液への耐性・腸への付着性が強い乳酸菌で腸内環境改善の他アレルギー抑制に効果を発揮します。乳酸菌株の一つで、現在も専門家によって研究が継続されている比較的新しいものです。

現在まで様々な研究によって多くの効果が発見されてきました。ラクトバチルス・アシドフィルス菌は、人間の腸内で働く乳酸菌株です。悪玉菌に作用し、有害菌の抑制や腸の調子を整え良好な状態にする働きを持っています。

胃酸に強く、実験よると腸に生きたまま届く事は100パーセントという結果も出ています。PH2の実験生き残ったというとても酸に強いものです。胃酸や腸液など消化液にも負けず通過をして、小腸・大腸にしっかりとどくという事が確認されています。

この菌株の効果については、悪玉菌に作用し腸の働きを良好にするなどの働きがあることから、便秘に効果をもたらし、腐敗産物を減少させるなどの高い効果があります。

また、日々の生活の中で接種することで、インフルエンザウィルス感染に対する予防効果がある事も動物実験によって確認され学会で発表されています。インフルエンザウィルス感染リスクを低減できると考えられています。

現在でも、どのような作用によって抗インフルエンザウィルス作用を発揮するのかについても研究は現在進行中です。(文責:腸内細菌科学研究所)

Theme 05ラクトバチルス・ロイテリー菌
AD302株とは

ラクトバチルス・ロイテリー菌は乳酸菌で腸内環境改善の他、口内環境改善、免疫力強化など機能性に富んだ乳酸菌です。HIV患者や幼児に対する臨床試験でもロイテリー菌の効果が確認されています。
ロイテリー菌は乳酸菌の一種で、人間をはじめとするほ乳類の母乳に含まれている菌です。生まれたばかりの赤ちゃんに抵抗力が備わっているのは、母親から母乳を飲むことでこの菌を腸内に蓄えているためだと言われています。

腸は飲食したものから栄養を吸収する場所ですが、同時に腸管は身体のなかで最も重要な免疫機関があると言われています。腸は身体に必要な栄養素だけを吸収して、細菌やウィルスなど有害なものは排除する役割があるのです。しかし、悪玉菌が増えるとこの働きが弱くなりさまざまな有害物質の増殖を許してしまいます。

これを防ぐために有効なのが善玉菌を増やす乳酸菌株の働きです。乳酸菌株にもさまざまな種類がありますが、最近このロイテリー菌の働きに注目が集まっています。

乳酸菌株は善玉菌を増やすため便通を整える効果が認められていますが、ロイテリー菌はこれに加えてLDLおよびエステルというコレステロールを減少させるという結果が出ました。コレステロールは心臓病に大きく関与しているため、心臓の病気予防に効果的であるといわれています。
またさらにロイテリー菌はむし歯菌の発育を阻止し、殺菌効果があるということも認められました。乳酸菌は継続して摂取することで腸内環境が正常で健康な状態に保たれ、免疫力を高めてアレルギー作用をやわらげる効果につながります。

ロイテリー菌の研究で、HIV患者の下痢期間の短縮、胃腸内環境の改善、機能性腹痛(FAP)の改善、アトピー性皮膚炎の改善、幼児の慢性便秘の解消、カンジタ菌に対する予防などロイテリー菌には多くの保健作用があることが分かっています。(文責:腸内細菌科学研究所)